ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.3.9 12:19

「ひきこもり」は自由なのか?

       3月15日のゴー宣道場選書第一弾『原発はヤバイ、核兵器は安全』の発売、そして3月11日に行われる第23回道場「3.11以後、発狂した政治・言論を撃て!」を前にして、ゴー宣ネット道場で私のやらせて頂いている動画『せつないかもしれない』も新しい回がUPされました。

  今回はなんと、現役のひきこもりの人がゲストです。
  勝山実さん。ひきこもり歴20年。
  太田出版から『安心ひきこもりライフ』という本を出され、「いまのこのご時世に、ひきこもりの本などもう売れない」という風評をよそに重版。多くの反響を呼んでいます。

 ●「切通理作のせつないかもしれない」#43『「脱」を目指さない安心ひきこもりライフ!』

 
 ひきこもりに対する従来の論じ方を否定し、あまり知られていないひきこもりの生活や現状を語る!
 
  http://www.nicovideo.jp/watch/1331279859

  お話を伺っていて思ったのは、勝山さんが、すごく現実的な人だということです。身体のこと、お金のこと、将来のこと・・・・・・先送りしないで、あるいは先送りしようもなく、リアルに考えている。

  考えてみれば、この二十数年、目先の問題だけを見て働いて、一見充実してきた私ですが、本当は自分なんて、いつかは取り換えのきく、世の中の穴埋め要員なのかもしれない。そのことを突き詰めて考えるのが怖いから、前しか見えずに働いてきたのかもしれない。

  
 
  本当は、社会のメインストリームから外れた時、人は自分が社会の一員であることを逆に痛感し、まったく野放図な中に放り出された裸の自分ではないことに、気付かされるのかもしれません。

 
 
 
 
 

  ゴー宣道場選書の作業を手伝っていて、「社会の中の自分」「日本という国の中での自分」というものを改めて考え直していたところで、この勝山さんとの対話は、また別の方向から、我々の不安と現実というものと、真っ向から向き合うとはどういうことなのかを教えてくれた気がします。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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